『ROME[ローマ]』はアメリカ合衆国のHBOとイギリスのBBCが共同制作した海外ドラマである。総制作費は200億円以上、制作期間は企画から撮影終了まで約8年という破格のもの。ローマ軍第13軍団の百人隊長ヴォレヌスとその部下の軍団兵プッロを中心に、内乱期のローマ共和国が描かれている。
ガリアを征服したガイウス・ユリウス・カエサルが、ローマ社会の大変革という野望を持ってローマに帰国する直前から始まる。
前半では、カエサルが帝国のルールを築きながらも、志半ばで暗殺されるまでを、後半では、オクタヴィアヌスがカエサルの遺志を継いで成功するまでを描く。
こういった歴史を題材にしている物語は堅いイメージではあるが、これは本当に面白かった。
R指定にされるほど、残酷なシーンも多数あるが、目を背けるほどではない。ただ、『あ、痛いやろなそれ。。。』という殺害方法はこの時代ならではな感じだろうか。しかしまあ、何の迷いもなく簡単に人を殺し、性交をし、権力や誇りに対して実にストレートな感情が見ていて潔くすらある。現代と変わらない人間の欲がしっかりと描かれていて、最初からかなりひきこまれていく。
今ではありえないような死後への考え方や(呪いとか名誉の為に死ぬ事を恐れない事とか)、奴隷制度がまだまだ色濃い背景や、男の権力争いの裏で渦巻く女同士の駆け引きだったり、すごい時代があったという事を知るには是非おすすめする。
途中エジプトが絡んでくるのだが、クレオパトラ(リンゼイ・マーシャル)がかなり可愛い女性だった。
ベリーショートにかつらをかぶってセクシーなドレスを身にまとい、男を次々虜にしてしまうという魔性な役どころなのだが、
実に大胆かつ繊細でキュートなのである。
最後、アントニウスと酒池肉林のような自堕落な豪遊生活をしちゃうあたりなんかは、とても豪快だ。
したたかで人を使って手をくだすタイプの悪女と、クレオパトラのようなタイプの小悪魔的な悪女(ではなくない??とすら思ってしまう可愛さ)の生き様もまた見所である。